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山口長男 買取りさせていただきました
09 .12 .2021
山口長男の作品、鎌倉在住のお客様から買取りさせていただきました。
戦前から戦後へ、
日本、韓国(京城)、パリと
様々な環境にありながら
一貫して自然体であり続けた
抽象画家の山口長男。
彼は1902年、当時の朝鮮の京城で生まれます。
鹿児島出身の山口の父がまだ若い頃、朝鮮半島に渡り
貿易商として成功していたことから彼はこの朝鮮という地で誕生しました。
彼の名前である『長男』
山口は8人兄弟で姉が5人、彼は六番目のまさに長男!
その名の通り、山口長男(たけお)と命名されます。
私もそこまではまだ予想通りだったのですが、
次に生まれてきた弟に次男(つぎお)、三男(みつお)…
なんとも山口家の名付けがおおらかすぎる!
こんなエピソードを聞くに、細かいことにこだわらない、鷹揚な家風が伺えますね(笑)
後世にも残るエピソードからも
度々そんな彼の性格が浮き出てきます。
山口がある美術展に作品を招待され赴いてみると
なんと自分の作品の上下が逆に…!
彼の同行者がそのことを館員に指摘し慌てて謝罪し今すぐかけ直そうとしたところ
「描いていた時とは上下が違うが、これでも見れますね。掛け替えなくてもいいではないですか?」
と画面をじっと見つめながらそんなことを言ったそうです。
彼のなにものにもとらわれない性質、
そして彼の作品にも同じように秘められた、軸のあるしなやかさにハッとしてしまいますね。
そんな彼の画業は1983年に80年の生涯を終えるまで
もののあるがままの本質を捉えることに注ぎ込まれました。
「人が見たままの解釈をすれば良い」といつも言い、
また常に自然を大事に、邪魔にならないよう、
あるがままに人生を送ることを通した人だったようです。
目まぐるしく常に変化する周囲の社会においても
自分の核心を見失わない彼の作品は
私たちの背をそっと押すような力強さを与えてくれるような気がします。
R antiques では
山口長男の作品、買取りいたします。
鎌倉、逗子、葉山、藤沢、辻堂、茅ヶ崎、平塚、大磯、小田原などの地域の骨董品の買い取りも行っております。
何かございましたらお気軽にご相談ください。